毒親からの逃げ方〜4つのステップ〜
過干渉系の母親との縁切りに成功し、平穏な日々を過ごしている毒親サバイバーの朱音です。
このブログでは、毒親サバイバーが抱える生きづらさが少しでも楽になるような情報や心の在り方のアドバイスを紹介しています。
今まさに親子関係で悩みを抱えている方、毒親育ち特有の生きづらさを抱えている方のお役に立てれば幸いです。
今回ご紹介するテーマは、「毒親からの逃げ方」です。
毒親から逃げることは、問題解決のために最も有効な手段ですので、ぜひ参考にしていただければと思います。
1.毒親から逃げること=自立すること
毒親には大きく分けて、
- 支配型
- 暴力型
- 無関心型
- 過干渉型
の4つのタイプがあります。どのタイプの毒親でも、問題を解消するために最も有効な手段は「毒親から逃げること」です。
物理的に距離を取ってしまえば、暴力を振るわれることもありませんし、行動に口出しされることもありません。親の知らない場所で暮らして、親の存在を自分の生活から消してしまうことが何よりの解決法です。
たとえ毒親・毒家庭ではなくても、大人になり、自分の稼ぎで生活できるようになれば、一人暮らしを始めますよね。独立し、新たな家庭を持ち、子を育て……生物の営みとして考えても、「親離れ」「子の巣立ち」は当然のことです。
- 家を出るなんて許さない
- 親を捨てるのか
- お前に自立なんてできない
などと言われるのも毒親あるあるですが、気にする必要はありません。親が子離れできていないだけです。あなたが自立するのは当然のことなので、ためらわず実家を出ましょう。
2.毒親からの逃げ方のポイント4選
①お金を貯める
物理的に引っ越すことになるため、費用の準備が必要です。一般的な引っ越しに掛かる費用が約60万円なので、余裕を見て80万円程度の貯金があれば安心でしょう。
私の場合は、引っ越しの際に父の協力を得られたのと、家具家電を最低限にしたこともあり、60万円弱で引っ越すことができました。
給料を全額親に取られてしまうなど、お金が貯められない事情がある場合は、その問題を解決するのが先です。多くの会社では、給料の振込口座を変更したり、複数に分けたりできます。親にバレるのが面倒であれば、バレない範囲でコツコツと貯めていきましょう。
どうしてもお金が貯められない場合や、暴力を受けていて一刻も早く家を出なければならない場合は、寮付きの就職先を見つけたり、シェルターに駆け込むこともできます。ただ、行動が制限されますので、できれば自分のお金で引っ越すことをオススメします。
②引っ越し先を見つける
①と並行して、転居先の選定も進めます。親以外に保証人になってもらえる人がいない場合は、保証人不要の物件を選びましょう。実家との距離ですが、生活圏が重なるほどの近所でなければ、それほど遠くを選ぶ必要はありません。通勤の都合などもあるでしょうし、馴染みの無い土地に引っ越してストレスが掛かるのも良くありません。
親が訪ねて来そうで怖い場合は、住所を教えないのはもちろんのこと、住民票の閲覧制限を申請しましょう。口の軽い親戚や友人から新しい住所がバレてしまう例もありますので、新住所は信頼できる人にだけ教えましょう。
会社まで電話で住所を問い合わせてくる猛烈な毒親もいますが、会社に事情を話して親に住所を伝えないようにしてもらうか、会社への登録住所は実家のままにしておくなどで対処しましょう。転職という選択もありますが、できる限り収入源は確保すべきと考えます。
③引っ越し当日
私の場合は、引っ越し先が職場と実家の間にあったので、親にバレないように少しずつ新居に荷物を運び込んでいました。書籍などの重い物は諦めようと思っていましたが、最終的に父の協力が得られたため、一部の書籍は新居に移すことができました。
引っ越し業者を使える場合は業者に全ての荷物を運んでもらえばOKですが、親にバレないようにひっそりと家を出たい場合は、最低限の荷物以外は諦めましょう。貴重品のほか、当面の日用品と着替えを1週間分、旅行に行く程度の荷物であれば自分一人で運べますし、親にバレないようにパッキングするのも可能です。親が仕事や買い物で家を空けているうちに、ひっそりと出て行きましょう。
<最低限の荷物の例>
- 貴重品(通帳、銀行印、現金)
- 服や下着(その季節のものだけ、1週間分)
- 洗面用具(後から買いそろえても良いですが、取りあえず一晩過ごせると楽です)
警察に捜索願を出されると厄介なので、最低限の置き手紙と電話番号、LINEは教えておきます。ブロックや着信拒否をしても良いですし、取りあえず出て放置しておいても構いません。あなたはもう、自由の身です。
▼汚部屋育ちの東大生 ※旅立ちの日の描写がリアルでおすすめです。
※未成年の場合は、ここで紹介した限りではありません。未成年の場合は、毒親である証拠をできる限り集めるとともに、児童相談所や警察に相談しましょう。
④家具や家電の揃え方
通販がオススメです。量販店の店頭購入でも構いませんが、初めての一人暮らしで店員さんを相手に家電を選び、必要に応じて値切るというのはかなりハードルが高いので、楽天やアマゾンなどで選ぶのが良いでしょう。一人暮らし向けの家電の比較サイトはたくさんあるので、どんどん参考にしましょう。
配達日は新居に引っ越す日以降に設定します。仕事の都合などで家電を受け取れない日が続く場合は、コインランドリーや外食でつなぎましょう。1週間程度であれば問題無く過ごせます。また、家具付きの物件を選んでも構いませんが、家賃が割高な場合もあるので注意してくださいね。
布団だけは引っ越し当日か翌日には手に入れるようにしましょう。こちらも通販でそろえるか、大きめのスーパーやホームセンターで買うこともできます。
地味ですが、ドライヤーも当日か翌日にはそろえたい家電のひとつです。私は実家から拝借しましたが、小さいものなので通販ではなく店頭購入でも良いでしょう。
私の経験上、冷蔵庫と電子レンジは自分で設置できました。(冷蔵庫はかなり苦戦しましたが…梱包の発泡スチロールが部屋中に散らばって大変なことになりました……。)洗濯機は業者に設置をお願いしました。失敗すると水浸しになりますし、アースも必ずつながなければならないので、最低限でも洗濯機の設置だけは業者に依頼するのをオススメします。
<引っ越してすぐに揃えたもの>
- 布団、マットレス、ベッド
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- 洗濯機
<後から揃えたもの>
- テーブル
- カーペット
- 電気ポット
- 座椅子
- 机、椅子
- テレビ
<未だに無いもの>
- 炊飯器
- 掃除機
3.罪悪感は不要
個人的な話で恐縮ですが、実家を離れてから、もう4年が経とうとしています。いざ実家を離れてみると、何故あれだけ母に怯え、苛立ち、束縛されていたのか――きっと私自身も、どこかで母に執着し、自分の人生の不都合を母のせいにしようとしていたのではないかと思います。
実家を出た当初は、母と仲違いをしてしまった後悔や恨みに支配されていましたが、今となってはその気持ちもかなり薄れてきました。あのまま実家にいても私は自分の人生を歩むことはできなかったでしょう。そうなるべくしてなったのだと、今は受け止めています。
冒頭でもお伝えしましたが、生きるものは全て、いずれは親元を離れ自立します。その歩みの中で、たまたま毒親という困難が伴い、「自立」ではなく「逃げること」になってしまった──ただそれだけです。
これから毒親の元を離れようとしている皆さんが、罪悪感に苛まれることなく、また、親への恨みで心を曇らせてしまうことのないよう願っています。
4.まとめ
それでは最後に、この記事の内容を改めてお伝えします。
- 毒親から逃げることは、問題解決の最も有効な手段
- お金を貯めて、ひっそりと確実に逃げよう
- 罪悪感は不要、これは「巣立ち」である
毒親育ちの方のために、少しでもお力になれれば幸いです。