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毒親とアスペルガーなどの発達障害

毒親と発達障害

毒親発達障害


過干渉系の母親との縁切りに成功し、平穏な日々を過ごしている毒親サバイバーの朱音です。

 

このブログでは、毒親サバイバーが抱える生きづらさが少しでも楽になるような情報や心の在り方のアドバイスを紹介しています。

 

今まさに親子関係で悩みを抱えている方、毒親育ち特有の生きづらさを抱えている方のお役に立てれば幸いです。

 

今回ご紹介するテーマは、毒親アスペルガーなどの発達障害です。

 

あまりにも親と話が通じないため、「もしかして自分の親は発達障害なのでは?」と思ったことがある毒親育ちの方も多いのではないでしょうか。人の気持ちがわからない、家事が苦手、片付けができないなどは、発達障害の特性の一つです。

 

医療機関での診断が出ているかどうかは別にして、私の母親は明らかにASDの傾向がありました。そして不幸なことに、私自身はHSPの傾向があります。

 

人の感情の機微に敏感すぎるHSP(子どもであればHSC)と、人の感情を読み取るのが苦手なASDは、相性が良いとは言えません。

 

そんな母娘として二十数年を過ごしてきた私自身の実体験も踏まえながら、発達障害のある毒親の特徴や対象方法をご紹介します。

 

 

1.発達障害の種類と特徴

発達障害の種類と特徴

発達障害の種類と特徴



発達障害は、大きく3つに分けられます。

 

 

1-1.ASD自閉スペクトラム症アスペルガー症候群)系

 

「集団生活や人間関係が苦手」「こだわりが強い」といった特徴があります。空気を読むのが苦手で、相手の気持ちを察することができません。人の気分を害する発言をしてトラブルを起こすこともしばしばあります。

 

自分の中のルールに固執する特性もあります。臨機応変に対応することが苦手で、一度パターン化したものを変えることができません。本来であれば子どもの成長に従って接し方を変えるべきですが、ASD系の毒親は、思春期になっても大人になっても、幼少期と同じ接し方をしてしまいます。

 

子どもの突拍子もない発想や行動に対応することも対応できません。「いつもと違うことがしたい!」と子どもが言うだけで、親の方がパニックになってしまいます。

 

人間関係を構築できず、家族以外の友達や集団に馴染めません。そのため、子どもや配偶者に依存し、いつまでも子離れできない、子どもをずっと支配しようとする傾向があります。

 

 

1-2.ADHD(注意欠如多動性)系

 

ADHDの特徴には、「多動性・衝動性」と「注意散漫」があります。

 

多動性・衝動性については、

  • 感情が不安定
  • 不用意な発言
  • おしゃべりがやめられない

などがあります。教室で立ち歩くなど子どもの頃に気付かれる可能性が高く、大人になってからは落ち着く場合も多いです。貧乏揺すりや内面の落ち着きの無さなど、一部の特徴が大人になっても残ることがあります。

 

注意散漫については、

  • 集中力が続かない
  • ケアレスミスが多い
  • 片付けが苦手
  • 忘れ物や無くし物が多い

などがあります。

 

大人になると、求められる振る舞いのレベルが高くなります。「不注意によるミス」「話にまとまりが無い」といったことは、仕事でも支障をきたします。社会生活が上手く営めないことから、ストレスになり、うつやパニック障害などの二次障害にもつながります。

 

ADHD系の毒親は、片付けができずいつも家の中が散らかっていたり、家事が苦手で子どもの世話を放置してしまうなどがあります。また、注意や興味があちこちに行ってしまうため、しつけに一貫性が無く、子どもが混乱してしまうこともあります。

 

参考サイト

www.nhk.or.jp

 

2-3.LD(学習障害)系

LDには3つのパターンがあります。

 

  • 読むことが困難な「読字障害(ディスレクシア)」
  • 書くことが困難な「書字表出障害(ディスグラフィア)」
  • 計算や推論が困難な「算数障害(ディスカリキュリア)」

 

読むことが苦手で本や新聞を読めなくても、知的・精神的に障害があるわけではありません。読みやすいフォント(UDフォント)を使ったり行間を広げたりすることで、ほかの人と同じように文章を読むことができるようになります。

 

書きの困難、計算の困難でも同様に、書くことや計算することは苦手ですが、知能指数に問題があるわけではありません。

 

しかし、発達障害の中でも理解されにくい特性の一つであり、周りに相談するのをためらったり、発達障害ではなく頭が悪いだけと考えてしまう場合も多いです。日常生活では、書類を読み書きしなければならない役所の手続きや、お金の計算などで困難が生じます。

 

 

3.発達障害毒親に見られる行動

発達障害の毒親の行動

発達障害毒親の行動

発達障害を持つ人は、社会生活だけでなく、家庭内でもトラブルを起こしてしまうことがあります。特に親と子どもは一緒に過ごす時間が長いため、発達障害の親の特性が子どもにデメリットを与え、結果として毒親になってしまうことがあります。

 

・家がゴミ屋敷である

 ADHDで片付けが苦手な親の場合、自宅がゴミ屋敷になってしまうことがあります。清潔な環境で子どもを育てることは、親の義務として当然のことですが、それができません。身なりが汚く学校でいじめられたり、衛生環境が悪く病気になってしまうなど、家がゴミ屋敷の場合は毒親・毒家庭と言えます。

 

なお、自宅のゴミ屋敷化は、親がうつ病などの精神疾患で掃除ができない場合にも起こり得ます。

 

・子どもの世話を放棄する

ADHDの親は家事が苦手です。そのため、子どもの世話も段取りよくできません。また、ASDの親でも自分のこだわりを優先してしまい、子どもを後回しにすることがあります。食事を与えない、衣服など必要な物を買わないなどはネグレクトに当たります。また、自分の趣味に没頭してしまい、子どもの話を聞かない、子どもに関心が無い場合は、無関心タイプの毒親になります。

 

・しつけに一貫性が無い

ADHDの親の場合、興味や関心があちこちに行ってしまいます。話しているうちに、自分でも何が言いたかったのかわからなくなることがあります。一貫したしつけや指示ではなく、気分によって言っていることがコロコロ変わってしまうので、子どもは混乱してしまいます。

 

 

・社会で孤立し、子どもに依存する

ASDの親は人間関係の構築が苦手です。そのため、同年代の友人や近所の人たちと上手く付き合うことができません。なので、親を受入れてくれる子どもにべったりと依存してしまうことがあります。ASDの親にとって、子どもは唯一の友達であり頼るべき相手なのです。本来であれば、親は子どもに頼られる存在ですが、この場合は親が子どもを頼る逆転現象が起きています。

 

 

・感情がコントロールできず、暴力や暴言を吐く

ADHDの親は落ち着きが無く、ついつい喋りすぎたり言い過ぎたりします。その場の勢いで、「要らない子」「出て行け」など子どもの存在を否定する言葉を口にしてしまいます。また、ASDで相手の気持ちを読み取れない親が、「不細工」「背が低い」など、子どものコンプレックスを悪気無く指摘することもあります。いずれも、子どもの心を深く傷つけます。

 

 

・学校や役所、病院などの手続きを怠る

LDで読み書きに苦手意識があると、学校からのおたよりなどを読むのが億劫になり後回しにしてしまいます。また、役所や病院など、必要な書類を読んで手続きすることも苦手です。PTA会費や給食費の支払いが遅れると、子どもの学校生活に支障が出ることもあります。整理整頓が苦手なADHDの親でも、書類を無くしてしまうなどで同様の困難が生じることがあります。

 

 

3-1.ASDの母親とHSPの娘の葛藤【実体験】

 

体験談については、書いているうちに長くなりましたので別記事にまとめました。興味のある方はご覧いただけますと幸いです。

 

ASDの母親とHSPの娘の葛藤【実体験】

akane-dokuoya.hatenablog.com

 

4.発達障害毒親との付き合い方

発達障害の毒親との付き合い方

発達障害毒親との付き合い方



親が発達障害やその傾向にあるとき、子どもはどうすれば良いのでしょうか。本来的には治療につなぐのが良いのでしょうが、毒親である場合はかなり難しいでしょう。

 

毒親の場合、子どもの話に耳を傾けません。我が子から「発達障害ではないか?」と指摘されようものなら、「親を馬鹿にするのか」と激高して暴力・暴言を受けるかもしれません。

 

殴られても罵られても良いから、親を治療してあげたい。親の生きづらさを取り除いてあげたい──とても殊勝な心掛けですが、子どものあなたにそこまでする義務はありますか?あなたは偶然その親の元に生まれてきただけで、あなたが親の生きづらさの責任を負う必要はありません。

 

発達障害やそれに伴う生きづらさを解消しようとするなら、まずは本人が自覚すべきです。自覚のない人間を病院に連れて行っても、治療は上手くいきません。

 

発達障害を持つ毒親育ちの子どもがするべき選択は、以下の二択です。

 

  • そういうものだと諦める
  • 親から距離を取る

 

自宅がゴミ屋敷だろうが、家事の全てを押しつけられようが、親離れ・子離れできなかろうが、親は発達障害なのだから仕方がない。そうして受け入れてしまうことも一つだと思います。それがあなた自身の人生をすり減らすことになっても、最終的には親元を離れなかったあなたの責任です。

 

親の元に生まれたのはあなたの責任ではありませんが、親の元で生き続けるという選択はあなたの責任です。厳しいことを言ってしまいますが、それが現実です。

 

そんな人生は嫌だ!というなら、全力で親離れしましょう。成人してお金さえ稼げるのであれば、いくらでも逃げられます。また、親からのモラハラなどで精神的に病んでしまって稼げる状態になければ、知り合いや公的機関に助けを求めましょう。少し勇気を出すだけで、親離れはできます。

 

 

5.発達障害は遺伝する?

発達障害は遺伝する?

発達障害は遺伝する?



発達障害は遺伝する傾向があるらしい」ということはわかっていますが、それ以上は解明されていないのが現状です。

 

個人的な話になりますが、私の母方の家系は発達障害の出現率が高いです。母がASD傾向ですし、母の父(私から見ると祖父)も似たようなASD傾向がありました。また、母方の従兄弟はADHDの確定診断を受けており、現在はひきこもりです。

 

ですので、親が発達障害の場合、子どもも発達障害である可能性はあると言えます。ただでさえ毒親育ちで生きづらい上に、自分自身も発達障害でさらに生きづらさを抱えてしまうパターンもあります。

 

この場合、家庭内だけで問題を解決するのは非常に困難ですので、早めに病院を受診するほか、市町村の福祉窓口に相談するのが良いでしょう。問題を抱え込んでしまい、うつや不安障害などの二次障害になってしまうと、ますます回復が困難になってしまいます。

 

 

6.まとめ

まとめ

まとめ

 

この記事では、発達障害を持つ毒親についてご紹介しました。改めてポイントを整理すると、以下のとおりです。

 

 

親が発達障害を持っている場合、それを子どもだけで解決するのは非常に困難です。身近な人や公的機関など、できるだけ早い段階で周囲に助けを求めることが大切です。家族の問題だからと抱え込まず、問題が深刻化する前に周りに相談しましょう。

 

皆さんが毒親発達障害の問題と上手く付き合い、より良い人生を歩まれることを願っています。


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